基本情報

遺産名:アマルフィ海岸
地域:南ヨーロッパ
所在国:イタリア共和国
登録年:1997 遺産の種類:文化遺産
該当登録基準:(ii)(iv)(v) 登録基準を参照
概要:アマルフィ海岸はイタリアのソレント半島南岸に位置しており、世界一美しい海岸とも言われている。 30kmに及ぶ海岸線は断崖となっており、その斜面に張り付くように町が広がっている。最も大きな町はアマルフィであり、そのほかにもポジターノ、ラヴェッロなどの町が有名である。
アマルフィは景色こそ風光明媚な土地であるが、その暮らしは容易ではなかったようである。
近代までまともな道路がなかったため、陸路による外部へのアクセスができないことや、断崖のために栽培に十分な土地もなく、交通も不便で潮風も農耕に不利であり、時には嵐による被害を被ってしまう。こうした環境の中で、アマルフィの人々は潮風にも強いレモンやオリーブを栽培し、斜面を利用した土地利用を工夫しており、海運によって交易を行うなど、独自の文化を生み出していったようである。イスラム圏とも積極的に交易を行い、すぐれた技術を吸収していった。ヨーロッパで最初に羅針盤が導入されたのはアマルフィだといわれている。また陶器や寄木細工の技術を取り入れ、遠く中国からアラブ世界を経由して伝わった製紙技術によってアマルフィ・ペーパーを製造するなど、その先進性は枚挙に暇がない。


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